TIGRE BROCANTE 21春夏 バンダナのイラストを描きました。
今回は架空の航空会社のSafety Instructions(安全のしおり)をイメージしています。
依頼内容はインド出張の際に機内で見た安全のしおりからの着想でバンダナを作りたいということでしたので、キャラクターのナッティーラビットがターバンを巻いていたり、サリーを着た人、宮殿などインドモチーフを散りばめています。
原稿は実寸で下書きと大まかな位置を仕上げた後、アクリル絵具で全て手描きしたものを取り込み、印刷してまた切り貼りしてバランス修正や変更を加えます。


位置と絵が確定したらまたパソコンに取り込んでデータ化をし絵型の完成です。絵型が出来たら色を決めていきます(始めに何版にするかは話し合いますが、実際の色は絵型を見ながら決まります)。そこから工場さんへ絵型と色チップが渡り、版を作るなど沢山の工程を経て、冒頭の1枚に。

カラーも民族衣装のサリーを思わせるショッキングピンクの縁取りにターコイズや、ターメリックな黄色など鮮やかな色が目を引きます。
旅にはなかなか出れませんが、ポケットの中には安全のしおり(のバンダナ)を忍ばせて。日々旅に出る気分で楽しめたらいいですね。

話はそれますが、発想までは誰もが出来ても、それを形にして完結させる事は当然のようで難しくそれが自分にとって重要だと思っています。今回の件で言うと出張先のインドでの機内で見ていたしおりから発想して柄を作ろうとイラストの依頼をして最終的にバンダナとして世に生み出すまでをする。私が恵まれていると感じるのはそうして実現する方々が身近にいて、やっぱ凄いなあ、そうでなくちゃなと考えや物の見方に気付きをもらえる事です。個人で叶えるには難しい事もありますが、自分も大小あれど作っていたり、ものづくりに関わるお仕事をしているので常に意識しておこうと改めて思いました。
それと、描くにあたり色々と資料集めや下調べをするのですが、各航空会社のしおりが大真面目なものやクスッとさせられるものなど色々あって、とても面白いのです。描写も色合いもお国柄が出ていますしどれもユーモアを感じます。機会があれば検索してみてください。