TIGRE BROCANTE の20春夏の生地プリント用にイラストを描きました。
更新が前後しますが、以前ご紹介したHawaiian バンダナと同じ今年の春夏で展開されていました。

TIGRE BROCANTE は洋服を作るための生地を柄物、無地物も毎回こだわってオリジナルで作られています。
この春夏はHawaiiがモチーフでした。版画タッチで海の柄を、というご依頼でしたので頂いたイメージや資料を参考に描いていきました。先にご紹介していたバンダナも版画タッチでした。
版画の彫られたような強弱をどのように出すか、そしてデータとして書き出すにはどうするかを考えた末に、ラフが決まった後の実際の作業は、ペンタブで描きました。

PC上で真っ黒な画面を作り、白のインクで柄を描いていきます。彫刻刀で削り出すようなイメージで柄を描いて、削り出したエッジの鋭さや彫り残し感が出るように今度は黒インクで塗りつぶす。白で描いて黒で消してまた白で描く。実寸でも確認するため時々印刷してまた修正して、を繰り返しました。最後は実寸の絵を大量に印刷して、黒の紙に切り貼りして配置の確認。洋服になった時のことを考えて、体にあてがってみたり巻き付けてみたり。スカートなら?ジャケットなら?と話し合いながら柄の大きさや間合いも詰めたり離したり。打ち合わせの時に柄が完成していきます。デジタルとアナログが入り混じったやり方ですがそれが自分と相手にとって、伝えやすく伝わりやすくて良い方法だと思います。

色展開は3色です。ベースが濃いと版画っぽさが強調されますし、その逆だとまた違う表情になりますね。

夏のある日に、向かいから歩いてこられる男性がこの柄の開襟シャツを着ていて、つい「おぉ…!」と声が漏れてしまいました。別の日にもショートパンツを履いた方にもすれ違い、ついついニンマリとしてしまいました。描いて終わりではなく、このようにいろんな方に関わることが実感できて、嬉しいです。